米アカデミー賞でエマ・ストーンが主演女優賞をとったPoor Things
御覧になりましたか?
この映画に男性審査員たちが作品賞を与えなかったのは良く解ります。
カリカチュアライズされた3人の男たちの描かれ方は不快でしょうし
映画自体が許し難いものでしょう。
成熟した身体に宿った胎児の知能という設定で初めて可能になった女の本音!
現実の女たちは自分の身体が成熟する前に社会の通念や常識をインプットされ
生きていくために男たちへの遠慮を身に着ける。だから通常発せられない言葉たち!
が小気味いいほど発せられる。思わずクスッと笑ってしまう場面満載です。
いかに通常の映画・小説などが男目線で描かれて来たかが解りますね。
そう!女目線 女のための夢物語なのです。 気分爽快になるの請け合いですよ。
作者はてっきり女性だろうと思っていたら なんと監督ヨルゴス・ランティモスは
1973年生まれのギリシャ男性。 現代のギリシャ人も畏るべし!
チェロ以外立って演奏する指揮者のテオドール・クルレンツィス(1972年生まれ)然り
幻想的な舞台を産み出す振付家のディミトリス・パパイオアヌー(1964年生まれ)然り。
映画「旅芸人の記録」のテオ・アンゲロプロス(1935-2012)を思い出しますね。
ヨーロッパの知の源ギリシャに脈々と繋がっているものに敬意を表します。
(2024/3/19)